※本記事にはプロモーションが含まれます。
結論:3種類の違い早見表
| 弁護士 | 労働組合 | 民間企業 | |
|---|---|---|---|
| 退職意思の伝達 | ○ | ○ | ○ |
| 退職日・有給の交渉 | ○ | ○(団体交渉権) | × |
| 未払い給与・残業代の請求 | ○ | △(交渉まで) | × |
| 損害賠償など法的トラブル対応 | ○ | × | × |
| 料金 | 事業者ごとに異なります。当サイトで各社の公式情報を確認した金額は料金データベースに掲載しています | ||
| 向いている人 | 会社と金銭トラブルがある | 有給消化まで確実に済ませたい | 意思を伝えてもらえれば十分 |
どれを選ぶべきかは「会社と交渉が必要かどうか」で決まります。以下、法的根拠から解説します。

なぜ民間企業は「交渉」できないのか
弁護士法72条は、弁護士や弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で法律事務を取り扱うことを業とするのを禁じています(非弁行為)。会社との交渉もこの法律事務に含まれると一般に解されています。民間企業の退職代行ができるのは、あくまで「退職の意思を会社に伝える使者」の役割までです。会社側が「有給は認めない」「退職日は認めない」と主張した場合、民間業者はそれ以上交渉できません。
労働組合が交渉できる理由
労働組合は、憲法28条および労働組合法6条に基づく団体交渉権を持ちます。労組運営の退職代行はこの権利を根拠に、有給消化や退職日の調整について会社と交渉できます。会社側は正当な理由なく団体交渉を拒否できません(労働組合法7条2号)。ただし、未払い残業代の請求訴訟など「法的手続き」までは対応できません。そこは弁護士の領域です。
ただし「労働組合系なら何をしても適法」という意味ではありません。東京弁護士会は、業者が代金を受け取ったうえで法律的な問題の処理を提携先の労働組合へ引き継ぐ形態について、お金を受け取って法律事務の処理を他者へ斡旋することは非弁行為にあたると説明しています。あわせて、労働組合が交渉する場合であっても、その行為が必ずしも非弁行為にならないとは限らないとも述べています。契約の相手が誰で、実際に誰が交渉するのかを申込み前に確認してください。詳しくは退職代行の業界ニュースで整理しています。
弁護士が必要になるケース
次のいずれかに当てはまる場合は、最初から弁護士運営を選ぶべきです。会社から損害賠償を示唆されている、未払いの給与・残業代を請求したい、ハラスメントの慰謝料請求も検討している、懲戒解雇をちらつかせられている、などのケースです。
そもそも退職は「権利」である
期間の定めのない雇用契約の場合、民法627条1項により、労働者は退職を申し入れてから2週間経過すれば雇用契約は終了します。会社の承認は不要です。「辞めさせてくれない」状態に法的な根拠はありません。退職代行は、言い出せない・引き止めが怖いという心理的障壁を代わりに越えてもらうサービスであり、法的に特別なことをしているわけではありません。
選び方のフローチャート
1. 会社と金銭トラブルあり → 弁護士。 2. 有給消化・退職日交渉をしたい → 労働組合。 3. 意思を伝えてもらえればよい・費用を抑えたい → 民間。具体的な利用の流れは「退職代行の流れ」の記事で解説しています。
3類型それぞれの申込み前チェックポイント
同じ類型の中でも事業者ごとに条件は異なります。類型別に、申込み前に確認しておきたい点を挙げます。
- 弁護士型:基本料金と成功報酬の区分(未払い賃金などの回収時に、回収額に応じた成功報酬が加算される契約があります)。見積り時に総額の目安を確認する
- 労働組合型:契約の相手方が誰で、実際に交渉するのが誰か。組合への加入が必要か、加入・脱退の扱いはどうなっているか。株式会社が窓口で労働組合が実行する二層構造の事業者もあるため、契約書・特定商取引法に基づく表記で構造を確認する
- 民間企業型:「交渉」をうたっていないか(うたっていれば上記の非弁行為の問題に関わる)。できるのは伝達までであることを理解したうえで、料金と受付時間で比較する
よくある質問
労働組合型は、どんな根拠で交渉できるのですか?
労働組合法6条が、労働組合の代表者などに交渉の権限を定めているためです。
労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有する。
(労働組合法6条)
条文が「労働組合又は組合員のために」としているとおり、交渉は依頼者が組合員として扱われる形で行われるのが通常です。だからこそ、上のチェックポイントに挙げた「組合加入の扱い」の確認が重要になります。
会社は労働組合の交渉に必ず応じるのですか?
労働組合法7条2号が禁じているのは「正当な理由のない団体交渉の拒否」です。会社が交渉のテーブルに着くことと、要求内容に応じることは別で、要求が必ず通ることを保証する規定ではありません。「会社は従わざるを得ない」といった説明を見かけた場合は、この区別を思い出してください。
公務員でも退職代行を使えますか?
公務員の退職は任命権者の承認という行政上の手続きを経るため、労働組合系・民間系の多くは公務員を対象外としています。利用したい場合は弁護士が対応する退職代行が選択肢になります。公立学校の教員の例は教員の退職手続きの記事で詳しく整理しています。
退職代行を使うと、会社から損害賠償を請求されませんか?
「辞めたら違約金」のような定めをあらかじめ契約に置くこと自体は、労働基準法16条が禁じています。一方で、この条文は実際に生じた損害の賠償請求まで一律に禁じた規定ではないため、「請求されることは絶対にない」とまでは言えません。もっとも、期間の定めのない雇用での退職は民法627条1項に基づく権利の行使であり、退職したこと自体を理由とする請求が認められるのは容易ではないと一般に解されています。不安がある場合の考え方は損害賠償の記事で整理しています。
参考文献:民法627条/弁護士法72条/労働組合法6条・7条/日本国憲法28条 最終更新:2026年8月
タイプ別に見る具体例
どのタイプが向いているかは、前章のフローチャートで分かれます。ここでは弁護士型と労働組合型について、編集部が内容を確認できたサービスを挙げます。掲載は運営主体の分類にもとづくもので、優劣を示すものではありません。民間企業型は編集部で確認できたサービスがないため、掲載していません。
弁護士法人ガイア法律事務所(弁護士型)
弁護士法人が運営する退職代行。未払い給与・残業代の請求や、会社から損害賠償を示唆されているケースなど、法的手続きが必要になる場面まで対応できます。相談はLINEまたはメールから受け付けています。
前章のとおり、金銭トラブルがない場合は弁護士型でなくても足ります。費用は事業者ごとに異なるため、料金データベースで公式情報を確認したうえで、早見表と照らして判断してください。
女性の退職代行「わたしNEXT」(労働組合型)
女性特有の悩み(人手不足への配慮、強気な上司への苦手意識など)に寄り添う設計。労働組合運営のため会社との交渉にも対応します。
男の退職代行(労働組合型)
男性特有の「言い出しにくさ」に配慮した設計。全額返金保証つきで、こちらも労働組合運営のため会社との交渉に対応します。




