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結論:まずはセルフチェックから
「仕事に行きたくない」という気持ちが数日程度であれば一時的な疲れの可能性もありますが、次のような状態が2週間以上続いている場合は、心身が限界に近づいているサインかもしれません。よく眠れない・食欲がない(または過食が続く)・以前は楽しめたことに関心が持てない・涙が出る・動悸や頭痛など身体症状がある・仕事のことを考えると強い不安や恐怖を感じる、といった項目に複数当てはまる場合は、我慢を続けるより先に、まず医療機関や公的な相談窓口に相談することをおすすめします。本記事はあくまで一般的な情報整理であり、医学的な診断ではありません。当てはまる項目があっても自己判断で結論を出さず、専門家に相談する目安としてお使いください。
| いま知りたいこと | どこを見るか |
|---|---|
| 体調が続かない | 医療機関の受診と、厚生労働省「こころの耳」などの相談窓口 |
| 休みたいが制度が分からない | 就業規則の休職規定と、年次有給休暇の残日数 |
| 休んでいる間の生活費 | 加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)の窓口 |
| 辞めたいが言い出せない | 民法627条1項の定めと、伝え方の段取り |
| 職場の扱いに納得できない | 都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料) |
「甘え」ではない
心身の不調は気合いや根性で解決できるものではなく、「甘え」ではありません。国が働く人向けのメンタルヘルスの情報サイトや相談窓口を設けているのは、仕事に関する不調が個人の性格の問題ではなく、対応の必要がある課題として扱われているからです。ただし、不調の程度や原因は人によって大きく異なるため、自己判断で抱え込まず、心療内科・精神科や、後述する公的な相談窓口といった専門家に状況を話すことが最初の一歩になります。
相談できる公的窓口
一人で抱え込まず、まずは以下のような公的窓口に相談することもできます。どこに行けばよいか迷う場合は、「こころの耳」から入ると、状況に応じた窓口の案内を受けられます。
- 厚生労働省「こころの耳」(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト。電話・SNS相談の案内があります)
- 各都道府県の産業保健総合支援センター(働く人と職場の健康に関する相談を無料で受け付けています)
- お住まいの地域の精神保健福祉センター・保健所(医療機関を探す段階から相談できます)
- 都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料。労働条件やハラスメントなど、職場の扱いそのものが問題である場合の窓口です)
職場に産業医や健康相談の窓口がある場合は、そこも選択肢になります。人事を介さずに相談できる仕組みになっているかは、社内規定で確認してください。
休職と退職、どちらを選ぶか
心身の不調で今の仕事を続けるのが難しい場合、選択肢は大きく「休職」と「退職」の2つに分かれます。休職は雇用契約を維持したまま一定期間仕事を休む仕組みで、健康保険の傷病手当金を受けながら療養できる場合があります。ただし、休職制度そのものは法律で義務づけられた制度ではなく、有無や条件は会社の就業規則によって異なるため、まずは自社の規定を確認する必要があります。
傷病手当金の金額や受けられる期間、退職後も引き続き受けられるかどうかの条件は、加入している健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合など)によって案内が異なります。全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」などで確認したうえで、自分の加入先に問い合わせてください。休職から退職に切り替える場合の段取りは休職中のまま退職したいときの手順にまとめています。
一方、退職は雇用契約自体を終了させる選択で、休職制度がない会社や、そもそもその会社に戻る意思がない場合に検討されます。どちらが良いかを一般論で決めることはできません。主治医の見立て、就業規則、生活費の見通しの三つを並べて考えるのが現実的です。
まず休むための手当てを確認する
退職を決める前に、残っている年次有給休暇を使って距離を取る方法もあります。取得の申し出について、条文は次のように定めています。
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。(労働基準法39条5項)
年次有給休暇は理由を説明しなければ取れないものではありません。取得を断られた場合の整理は有給休暇を拒否されたときの考え方にまとめています。有給を使い切っている場合でも、欠勤や休職として休める場合があるので、就業規則の該当箇所を確認してください。
退職を選ぶ場合の進め方
退職の手続きそのものは、体調が万全でなくても進められます。期間の定めのない雇用契約であれば、根拠になるのは次の条文です。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。(民法627条1項)
体調を理由に出社できない場合でも、電話・メール・書面など記録の残る方法で退職の意思を伝えれば手続きは進みます。伝える内容は、退職の意思、最終出勤日と退職希望日、貸与品の返却方法、書類の送付先の四点で足ります。受け取ってもらえない場合の進め方は退職届を受け取ってもらえないときの手順、退職までの流れ全体は退職代行を使う場合の流れにまとめています。
診断書を出すかどうかについては、休職を申し出る場合に就業規則で提出を求めている会社もありますが、退職の申し出そのものに診断書が要ると定めた条文はありません。会社にどこまで体調のことを伝えるかは、自分で決めて差し支えありません。
今日から動ける3つの選択肢
- 医療機関を受診する:心療内科・精神科への受診に抵抗がある場合は、まずかかりつけの内科で相談する方法もあります。休職の手続きでは診断書の提出を求められる場合があります。
- 会社の産業医・相談窓口に相談する:一定規模以上の事業場には産業医が選任されています。人事を介さず直接相談できる制度がある場合もあるので、社内規定を確認してみてください。
- 第三者に連絡を代行してもらう:会社に直接連絡する気力がない場合は、退職代行サービスの利用も選択肢です。
どれから手を付けるか迷う場合は、受診の予約を先に取り、そのうえで就業規則を開く順番にすると、体調と制度の両方を同時に確認できます。会社への連絡は、そのあとでも遅くありません。
退職代行を使う場合の注意
運営主体によって根拠となる法律と対応範囲が異なります。弁護士・弁護士法人は、弁護士法72条が名宛人とする「弁護士又は弁護士法人でない者」にあたらないため、代理人として交渉できます。労働組合は労働組合法6条にもとづく交渉権限を持ち、正当な理由のない団体交渉の拒否は同法7条2号で禁じられています。民間企業については、会社との交渉にあたる行為が弁護士法72条との関係で問題になると一般に解されているため、休職の申し出や有給の日数調整まで対応してもらえるかを依頼前に確認してください。
類型ごとの違いは退職代行の運営主体は3種類、各社の料金と運営主体は退職代行の料金データベースで確認できます。掲載順は提携の有無に影響されません。退職後の手続きは退職後にやること一覧、次を決めずに辞める場合の考え方は転職先が決まっていない退職にまとめています。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療の代わりになるものではありません。心身の不調を感じている場合は、上記の窓口や医療機関へのご相談をおすすめします。
参考文献
参考文献:厚生労働省「こころの耳」/厚生労働省 総合労働相談コーナーのご案内/全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」/e-Gov法令検索 民法/労働基準法/弁護士法/労働組合法 最終更新:2026年8月

